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石垣島へ。

10分程遅れで離陸した飛行機は八重山に向かう。右の窓側の席が正解。
明石大橋を見下ろし、四国を縦断、宮崎を横目に、そして噴煙をあげる桜島を最後に「内地」から遠ざかっていく。
リアルな日本列島のサイズ、どれだけ波照間は離れているのか。
飛行機のせいだろうが、案外日本の端までは距離が感じられないことが不思議な感覚。

そのうちに空の底が薄い秋の雲でいっぱいになったので下は見えなくなった。
「コーラルウェイ」に目を通した後、少し眠くなる。

飛行機の傾きでふと目が覚めた。航路上の大きな雲を避けているようだった。それほど寝ていなかったようだが窓の外をのぞくとすでに夏の空に変わっている。
あちこちに立ちのぼる入道雲、下は相変わらず見えない。もう沖縄本島あたりまで来ているのだろうか。結局よく分からないまま、ボーッとしばらく機中の暇な時間をなんとかやり過ごす。

どれくらい経っただろうか、ようやく着陸体制に入ることを知らせるアナウンスが聞こえる。
ちょっとした緊張が走る。実は飛行機嫌いな理由は着陸時の降下していく感覚がだめなのだ。

夏雲の中に飛行機は沈んでいく。我慢、我慢、と窓から外に目を凝らすと、すぐに雲の下に出た。窓一杯に石垣島が広がる。緑の島の周囲を囲む鮮やかな淡いブルーのリーフとその外側に広がる濃いブルーの海をリーフエンドにたつ波の白い線が分けている。
着陸前の大きな右旋回で窓一面海であふれる。島に迫るほどに広がる海岸や畑の色すら強い鮮やかな色、見えるもの何もかも彩度が高い気がする。もはやすっかり着陸の恐怖感など忘れていた。

飛行機から降りた瞬間、全身に強烈に差し込むような太陽の日差し。全てが眩しい。
「あっつ〜い!」と歓声をあげる飛行機の乗客は皆、そろって長袖をまくりあげる。うん、Tシャツで来たのも正解。
いよいよ今年2度目の夏の始まり。


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